JB74 ジムニーシエラに下回り防錆塗装

こちら静岡県富士市は普通に暮らす分には融雪剤の害とは無縁の地域です。

しかし、ジムニーという車種を扱ってきたなかで降雪地方の塩カルによる腐食の恐ろしさをまざまざと見せつけられてきました。

弊社は県外、降雪地方からのお客様も多いこともあり、こんな地域でありながら防錆塗装については積極的に研究を重ねてきました。

今回、神奈川のお客様からJB74 ジムニーシエラの防錆塗装のご依頼がありましたので、施工方法をご紹介したいと思います。

ひとくちに下回り防錆塗装といっても様々な塗料が存在しますし、施工方法も様々。

まずはオーナー様から車の使用状況、ご要望をヒアリング。

塗りたい部分、塗りたくない部分、どこまで部品を脱着するのか。

相談のうえ決定します。

まだJB64 JB74 現行ジムニーは発売から日が浅いのでグサグサに錆びてしまった個体は見たことがありませんが、錆びるであろう箇所はおおよそ見当がつきます。

どんな車でも錆びやすい箇所というのは、

溶接された箇所

パネル同士を重ねてスポット溶接されている箇所

構造上水が溜まりやすい部分

です。

こういった部分は外側からノックスドールUM1600で覆いかぶせ、内側から浸透性の700750を使いダブルブロック。

1600はアスファルトのタールのような材質。粘り気があり、肉厚に塗ることによりサビの原因である水分や塩分から強力にガードします。

700と750は逆にサラサラな浸透性防錆材でして、例えばパネルとパネルの合わせ目など粘度が高い塗料が入り込めない箇所に浸透して防錆効果を発揮します。

フレーム内部やドアやサイドシル内部などの直接アクセスできない場所にも特殊ノズルを使って施工することができます。

最強の防錆塗料といわれるノックスドールUM1600ですが、デメリットもあります。

半硬化タイプですので永遠に硬化はせず、べたつき感が残ります。何日経っても触ると手に黒くうつるほどです。

整備する側からしますと、ご勘弁願いたい事案。

また、常にベトベトしている訳ですから、砂ぼこりなど汚れを吸着します。

そこで弊社が編み出した方法が、

まず重点的に防錆したい場所をUM1600で塗装。

その後で全体をENDOXの3000で塗装。

ENDOX3000は硬化タイプの防錆アンダーコートです。

UM1600を塗った箇所にも薄く重ねることにより、べたつき感を抑えることができます。

(厚く重ねてしまうと表面にヒビ割れを起こしてしまいますので、加減が重要です。)

ENDOX 3000もしっかりした防錆効果があり、各自動車メーカーでも純正採用されている塗料ですのでご安心ください。

そもそも、現行ジムニーはメインフレームやタイヤハウス内などメーカー純正でかなりしっかりした防錆塗料が厚く塗られています。

こういった部分は無理に重ねて厚塗りする必要はありません。

1台の車を永く大事に乗ろうとした場合、エンジンなどメカ的な部分はどうにでもなるのですが、車体やボディーが朽ちてしまうと手の施しようがありません。

特に降雪地方や海沿いの潮風の影響を受ける地域の方は、早めの徹底した防錆処理が鍵となります。

防錆塗装は、錆びる前に行うのが大前提。

錆びはじめたところに上から塗ってもサビの進行は止められません。

新車で納車されてすぐに行うのが理想的ですね。

リフトアップやバンパー交換などのカスタムと同時に行うと脱着工賃などがお得になりますので、ぜひともご相談頂ければと思います。

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