私の乗る車には、しばらくカーオーディオが付いていませんでした。
毎日の通勤車兼デモカーのJB64ジムニー、
休みの日にサーフィンに行く用のサバーバン。
どちらもオーディオは無く、無音状態。
音楽が嫌いな訳ではありません。
聴くだけでなく、楽器をプレイする側の人間でもあります。
音にもうるさい方です。
実はカーオーディオの世界に入れ込んでいた時期もあります。
でも音質を追求していくと壁に当たり、嫌になってしまい、
中途半端な音質で不満に感じながら聞くくらいなら無音の方がマシだ!
と車内で音楽を聴くのを止めてしまいました。
カーオーディオはホームオーディオと違い環境条件が劣悪です。
まずノイズの問題。
走行音、風切り音など様々なロードノイズ、
エンジンやエアコンなどのメカノイズ。
せっかく音を良くしても、ノイズにかき消され繊細な音を楽しめません。
スピーカーボックス エンクロージャーの問題
スピーカーボックスは適切な容量と、ユニットの振動に共振しない重さ、頑丈さが求められます。
カーオーディオでは通常、ドアなどの鉄板パネルにユニットを直接固定されることになりますが、当然共振してしまいますし、制振材などでデットニングしても限界があります。
スペースの問題 定位感
適切な容量のBOXを運転席の前方にドンと置ければよいのですが、
車内にそんなスペースはありません。
スペースの都合で仕方なくスピーカーをドアなどにマウントしているのです。
定位感、といった観点からも、ドアマウントは最悪です。
スピーカーはリスナーの正面左右に配置されるのが理想ですが、
ドアマウントですと向きも位置も不都合です。
そんな理由から車室内は最悪な環境なのですが、
最近、ちょっと気になるスピーカーを発見しました。
オンダッシュマウントが可能な同軸2wayフルレンジスピーカー。
ドアにスピーカーを装着すると下の方から音が鳴っている感じで不自然。
かといって2wayスピーカーのツイーターだけをダッシュ上にマウントすると、高音だけが正面から聞こえて定位感が分離してしまう。
しかしこのようなスピーカーなら、人間の耳が認識しやすい中音域から上を理想的な位置から鳴らせて、あたかも目の前でミュージシャンが演奏しているかのような音場環境を作り出せそうな気がしたのです。
JB64は走行音も割と静かですし、久々にオーディオをセットアップしてみることにしました。
いくらフルレンジといっても、この口径、容量では中低音は全く期待できません。ローミッドはドアマウントに任せます。
セレクトしたのはキッカーのCSシリーズ。
このスピーカー、自社の積載車エルフにも使ってますが、
そのまま使ってもなかなか良い音のスピーカーです。
ですが今回はツイーターとクロスオーバは使わず、贅沢にもミッドレンジユニットだけを使います。
薄型設計なのもポイント。
JB64 JB74はスピーカースペースに余裕が無く、薄型の物でないと装着できません。
ドアパネル裏側には制振シートを貼ってデットニング。
パイオニア製の変換ブラケットを使い、16㎝径を装着。
このままですとドアパネルと干渉してしまったので、パネル側を削って対処しました。
ドアマウントスピーカーだけでは低域は鳴らしきれないので、サブウーファーも付けます。本当はもう少し容量が欲しいところですが、シート下に収められる物というと選択肢があまりありません。妥協です。
デッキは以前使っていたカロッツェリアのDEH-P01を装着。
4wayクロスオーバーを内蔵しているのがポイントです。
パワーアンプは別体式ですので、プレイヤーの下段に入れました。
久々のオーディオインストール。夏休みに自分自身で行いました。
デッキの隙間部分は放熱も考えてパンチングメッシュ材で製作しました。
完成。このデッキはイルミネーションカラーをカスタマイズできるので、車のイルミに合わせてアンバー系にしました。
さて、肝心の音質です。
今回要となったこちらのフルレンジスピーカー、
なかなか良い仕事をしてくれます。
販売元の話では再生領域150Hz~40KHzとのことですが、
色々試した中で私はハイパスのクロスオーバーポイントは400Hz近辺がベストだと感じました。
(スコーカーとツイターのクロスオーバーは適切な物が内蔵されています。)
400Hzから上が具体的にどんな感じかと申しますと、
女性ボーカルのほとんどの領域
低音男性ボーカルの高周波部分
ギターやピアノ、管楽器などの主なインストゥルメンタル楽器
ベースの高周波成分
ドラムはバスドラムの高周波成分からスネア、シンバルまで
がダッシュ上正面から発せられることになり、
理想的な定位感、
つまり、自分の目の前でミュージシャンが演奏しているかのような錯覚を味わうことができるのです。
ローミッドからローはドアマウントスピーカーとシート下のサブウーファーから発せられますが、周波数が低くなればなるほど指向性は低くなりますので、設置場所はさほど気にならなくなります。
オーディオにおける「良い音」の定義とは、
いかに忠実に音源を再生できるか
だと思います。
音にうるさいことで有名な山下達郎さん。
印象的なお話があります。
ラジオ番組内でリスナーから
「耳を良くするにはどうしたらよいですか?」
という質問に対し、
「一流の本物の良い音を沢山聞いてください。」
というご返答。
それをたまたまラジオで聞いたときに、目から鱗でした。
まずは一流のミュージシャンが演奏する生の音「良い音」を知ること。
これが基準です。
それを知った上ではじめて、オーディオの良し悪しを判断できるのだと思います。
良い音をどこまで再現できているか否か。
話は逸れましたが、
このセットアップ。なかなか良い音です。
カーオーディオにご興味がある方。
ご来店頂ければ視聴できます。
コスパも高いと思います。
超高級品を買わなくても、良い音は出せます。
今回はクロスオーバー内蔵のP01を使いましたが、
現在お使いのヘッドユニットを使いながら外部アンプを使ってマルチチャンネル化も可能です。
ご興味ある方はお問合せください。