今日はジムニーの話題から離れて、プリンスグロリア タテグロのお話です。
以前からブログにも書いたりしてましたが、
私共、ジムニー専門店としてお仕事させて頂いておりますが、
ジムニーオンリーな人達ではありません。
こういった国産旧車も好きなジャンルのひとつです。
昨今の旧車高騰もあり、
「今買わないと二度と買えない!」
という強迫観念に駆られて仕入れた車が数台在庫としてあります。
その中で、1台目で着手しましたのがこちらのグロリアです。
すこし前にジムニーの仕事が部品入荷待ちであったり加工待ちであったりで
時間が空いた時があり、その時に作業を進めました。
A30系 3代目グロリア 通称タテグロ
日産とプリンスが合併後の発売ですが、合併前にプリンスにより開発が進められたプリンス血統最後のグロリアです。
その後のグロリアはセドリックとバッジ違いの兄弟車となってしまいました。
タテグロは個人的に好きな車のひとつ。
タテグロという通称名の由来はもちろん縦目4灯のヘッドライトです。
キャデラックやポンティアックの縦目がモチーフと言われてますが、
それらよりもずっと洗練されたデザインだと思いますし、
これで5ナンバーだというのが信じられません。
現車は、前期のPA30型。
前期はプリンスG7エンジンですが、部品供給が悪く後期のL20エンジンに載せ換えられることが多いです。
この車もL型に載せ換えられていましたが、不動という状態。
ボディーは致命的な腐食がないので、ベースにはちょうど良い個体です。
まずはエンジンのオーバーホールから着手しました。
ベースは、別の車から降ろしたL20。
ピストン、クランクはノーマルをそのまま使用。
シリンダーホーニング
ブロック上面面研
ヘッド面研
カムホルダーマウント面研
ピストンリング、メタル、タイミングチェーンなど消耗部品は全て新品に交換
ヘッドカバーはハンドポリッシュ仕上げ
エンジンを降ろして、補機類を移していきます。
キャブレターもオーバーホール。
フューエルラインを塗ったり、サーモケース磨いたり、インマニはサンドブラストかけたり、
機能面だけでなく、「ボンネットフードを開けたときの満足感」
も大事だと思ってます。
旧車で不安要因となるのが、電気ハーネス。
被覆は劣化しショートの原因となりますし、
金属部は酸化し抵抗や接触不良となります。
ヘッドライトが暗いとか、
電装品が動かないとか、
最悪の場合、ショートして車輌火災の原因にも。
元のハーネスを丁寧にばらして、
あらたに作り直します。
ここで、本業が忙しくなってしまい作業は一旦ストップ。
ここから先は、オーナーさんが決まってからお好みで製作したほうが良いかな、と思います。
エンジンが降りた状態なのでエンジンルーム内も塗れます。
で、何色に塗るの?ってなったときに、
オーナーさんが決まれば指定の色で塗れます。
ボディー色の好みなんて皆違うので、
こちらの好みで塗ってしまった後にあ~あとなっては遅いです。
ボディーレストアの際に鬼門となるのがゴムウェザー部品を入手できるかどうかです。
当然、メーカー純正は廃番です。
新品が用意できない場合はマスキングで再利用するしかありませんが、
今秋頃には受注生産のリプロ新品が手に入りそうです。
内装の張替えやクーラーの取り付けも可能です。
歴史に残る名車のプリンスグロリア。
ピッカピカで、機関もバッチリなタテグロオーナーになりませんか?
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