旧型JA系ジムニーのオーダー製作の受注を停止いたします。
これは、私としてはかなりの一大決心。
2011年に創業、2012年に現在の店舗に移転してジムニー専門店を掲げてから現在までメイン事業として続けてきた仕事の受注を停止するのですから。
始めた当初も同じ仕事を一生続けられるとは思っていませんでしたが、ついにその時がきたか、というのが率直な気持ちです。

それは、JB23系が現役で新車販売されていた頃の話。
当時JB23のデザインは不評で、それより古くても格好良くて、なおかつ中身までしっかり手を入れて信頼性が高いSCMのJA系ジムニーコンプリートはとても好評で、多数オーダーを頂きました。
しかし、年数が経てば経つほど劣化箇所は増え、まともに乗れる状態にするには交換部品も増えてより高額に。
始めた当時で総額120万円程度だったのが、最近では200万円でもやりきれないレベル。
(けっしてプレ値で価格を上げたのではなく、ベース車の中古相場が上がった訳でもなく、作業内容が増えてこのような価格になったのですが、それを見て勘違いした業者がたいして手を入れてない車を同じような価格で売るようになり結果的に相場を押し上げることになりました。)
さらに大きな転機となったのが、JB64/74へのモデルチェンジ。
新型は旧型JA系をモチーフとしたデザインで人気爆発。
世間の興味の対象は一気に現行に移りました。
当然、旧型ジムニーへの興味は激減。
これまでは現行新車が格好悪かったから旧型人気だったようなものですが、新車が格好良ければ当然新車のほうが良い訳で。
慌てて新車販売を始めましたが、納期が約1年と長期の為、最初は全く商売にならず。
苦肉の策で旧型の低価格プランを打ち出してみましたが、それがかえって赤字やクレームを増やす結果に。
(予算が限られれば当然利益は減るし、手を入れられる範囲も狭まるので当然壊れる。)
最近ではある程度予算を掛けれるお客様のみオーダーを受けるようにしてきましたが、それはすなわち濃い内容のオーダーが増える訳でして、1台ずつの工期も長くなり製作待ちは溜まる一方。
今後受注したとしても納期が全く読めないという状況になってしまいました。
年数を重ねれば顧客も増え、車検や整備での入庫も増え、思うように製作に専念する時間が取れなくなってきたという事情もあります。
過去に一度受注を停止して、再開後にしばらく仕事がなくて困った経験もあり正直怖いのですが、ただでさえ沢山のお客様をお待たせしてしまっている状況でこれ以上受注を増やすべきではないという判断です。
しばらくは受注分を仕上げることに専念したいと思います。
現在、JA11とJA22が数台ずつ。どれも濃い内容で、しかもそのうち一台はなんとアメリカからのオーダー。
かなり長引いてしまっているSJ10のレストア、タテグロが2台、さらにはC1500とサバーバンの仕上げも。
今のオーダーが全て仕上がって納車できた時点で、その先受注を再開するかどうかを決めればよいかなと思っています。
受注再開するかもしれませんし、そのまま再開せずに終了するかもしれません。
再開しても受注が入らないかもしれません。
そもそも、今の時点で手間と時間が掛かりすぎて、1台の粗利はそこそこあるように見えても掛かった時間を考えると完全に赤字。
辞めてしまうのは長い年月を掛けて培ってきた経験値もあり勿体ない気もしますが、慈善事業ではないので需要とそれに見合った収益が無ければ続ける意味はありません。
ひとまず、目の前の仕事をこなす事に専念します。




記事の内容につきまして
お陰様で、2013年6月8日からスタートしたSCM 代表ブログも、早12年を経過致しました。
古い記事は、当時に執筆した内容のままで公開をしておりますが、記事によっては現代の社会情勢や環境等にそぐわない内容のものが含まれている場合がございます。
目まぐるしく変化する時代背景も考慮しながら、お読みいただけると幸いでございます。
SCM 代表