ジムニーで皆さん悩まれるのが、ジャダー、シミー現象。
走行時に急に前輪が大きく振れだし、酷いとかなり減速しないと振動が止まりません。
何の前触れもなく突然発症しますので、体験された方はかなり怖い思いをします。
キングピン支持の3リンクコイルリジットアクスル車特有の症状でして、
ジムニーのみならずランドローバーやランクルなどでも同様な症状は発生します。
ジムニーでは特にJB23系では持病のようなもので、走行距離が少なくても発症することは多いです。
現行のJB64では対策でステアリングダンパーが標準となり、
メーカーも苦慮していたことが伺えます。
当店でも一般ユーザー様からだけでなく同業他社さんからもよく相談を受け、多数修理してきました。
ジャダーの原因は様々な要因が複合的に絡むので、究明が難しいところであります。
ひとつずつ、可能性を潰していくしかありません。
まずチェックすべき点が、タイヤの空気圧、バランス。
空気圧が高すぎると、ジャダー現象は出やすくなります。
バランスが悪いのも、ジャダー発生のきっかけになります。
一番基本的な部分です。
また、トレッド幅は細いと出る率が高く、
太くなればなるほど減少傾向にあります。
太めのマッドタイヤでは症状が出なくて、
ノーマルタイヤにした途端に発症する車は意外と多いです。
そして、ステアリング、タイロッドのボールジョイントのガタをチェックします。
ガタがあれば当然交換します。
原因で最も多いのが、キングピン、キングピンベアリングのガタ。
軽度の場合であればシム増しという方法で改善される場合もありますが、
あくまで延命措置となります。
しっかり対処するのであれば、ハブ周りのオーバーホールが妥当です。
ハブベアリングのガタも要因のひとつですので、一式リフレッシュが望ましいです。
左右両方オーバーホールして、部品代、工賃含めて約7万円。
高額な修理となりますが、大抵の車はこれで直ります。
逆にここが駄目だと、ステアリングダンパーなどの対策部品をいくら付けても解消されません。
遠回りせずに、根本を直すことが重要です。
しかし、それだけでは解決しない場合もあります。
リフトアップされていると、ノーマルに比べて発生要因は増えます。
ステアリングロッドやラテラルロッドは水平に近いのが理想ですが、
リフトアップするとラテラル、ステアリング各ロッドの角度が立ってきます。
そうなると、車軸の上下方向の動きがダイレクトに横方向に変換されやすくなってしまうのです。
まずは、適切なキャスター角補正がされているか?
3リンクコイルリジットサスは、車高を上げればキャスター角がおのずと変化し、
直進安定性が著しく悪化します。
補正リーディングアームや偏芯キャスターブッシュなどにより補正するのが望ましいです。
そして、割と多い要因が、社外のラテラルロッド。
3リンクリジットでは、横方向に加わる応力は全てラテラルロッドが受けます。
ラテラルロッドは、我々が想像している以上の力が加わっているのです。
(一時期のJB23ではラテラルロッド取付けボルトがサービスキャンペーン対象で、対策品供給となっています。)
そして、残念なことに社外品は粗悪品が多いのも実情。
これは先日ジャダー発症した車輌に装着されていたラテラルロッドです。
(画像左側 右側は比較対象です。)
ブッシュは右側のゴム製に対し、左側はウレタン製です。
ウレタンブッシュは硬いのでダイレクト感に優れますが、
振動吸収性能はゴムブッシュと比べると落ちます。
さらに画像では分かりずらいのですが、
よく見るとブッシュ軸方向とロッド軸が直角ではなく少し斜めです。
いわゆる粗悪品です。
純正と交換すると、ピタリと症状は出なくなりました。
このようにブッシュ部分の要因もあれば、調整ネジ部分のゆるみ、ガタが発生した事例もありました。
社外ラテラルロッドは要注意です。
ジャダー現象でお悩みの方は是非当店へご相談ください。
豊富な経験から的確に解決いたします。
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