4/10 山梨県T様 納車となりました。
過去製作車輌からのリメイク。
ありがとうございました。
さて、今回のお題は、
「エンジンオーバーホールはなんのためにするの?」
です。
弊社製作のJA系ジムニーカスタムコンプリートは、エンジンオーバーホールが必須項目。
でもお客様からすると
オーバーホールって何のため?
そもそも必要なの?
という疑問を持たれる方も多いと思います。
エンジンのオーバーホールは費用も時間も手間も掛かる大変な作業。
弊社もできればやりたくありません。
それでも施工するのは、やらなければならない理由があるからなのです。
弊社がジムニー専門店としてスタートしたのはちょうど8年前のこと。
JA系ジムニーを外観だけ仕上げて販売したら、まあ壊れること壊れること。
これはいかんということで、エンジンオーバーホールの必要性を痛感しました。
ジムニーで多いエンジントラブルといえば、
ヘッドガスケット抜け
圧縮不良による出力低下
オイル消費、白煙
世の中色々なケミカル、添加剤が売られていますが、
経験上、そんなものでは治りません。
いずれもエンジンを分解しないと完治しません。
普段は洗浄後の綺麗になったエンジンの画像を載せることが多いですが、
今回は洗浄前の汚れた画像でオーバーホールの必要性を説いてみたいと思います。
洗浄前のK6Aエンジンです。
元々は銀色のエンジン内部ですが、オイル汚れで茶色く染まっています。
ボルト周辺など所々黒い塊が付着していますが、
これはオイル内の汚れが固形化したもの。(スラッジ)
このスラッジが、オイル消費などの原因になります。
こちらは洗浄後のピストン、コンロッド。
ピストン裏側やコンロッドに小さな穴が開いているのが見えますでしょうか。
これはオイルの通路なのですが、さきほどのスラッジで詰まってしまうとオイルが通らなくなり、
オイルを燃焼室で燃やしてしまいます。
ピストンリング、オイルリングの固着も併発しているパターンが多いです。
これをオイル上がりと呼びます。
洗浄剤から揚げたばかりのピストン。
オイルリングの穴はスラッジで塞がったままです。
それだけ頑固で硬い汚れなのです。
ピストンのオイル穴は、経験上ほぼ100%の割合で塞がっています。
フロントカバー内側もいい汚れっぷり。
歯車のような物はオイルポンプです。
こちらは洗浄前のEXポート
こちらは燃焼室。
黒い汚れは、長年蓄積した燃えカス、スス。
これはオイル汚れより厄介です。
カーボン、炭素、元素記号C。
硬い物質です。
洗浄は60℃前後に温めた特殊薬剤に漬け込みますが、それでもカーボンは簡単に落ちません。
最終的には削って落とすことになります。
これだけ頑固な汚れですから、レックスのような吸気洗浄剤やフラッシングオイルではエンジン内部の汚れはまず間違いなく落とせず、症状は改善されません。オーバーホールしか道はないのです。