先日は個人的に休みをとり、公私共にお世話になっている先輩に登山に連れて行ってもらった。
今年夏に富士山に登って以来、登山は久々だ。
登ったのは、西湖の北側にある山。
雲ひとつない快晴、コンディションは抜群だ。
登山は、登り始めの30分が特にきつい、という。
確かに、きつい。
けっこうな急勾配で、息が切れる。
膝が笑うとはこのことだ。
足取りが重くなってくる。
登る前に、
(どうして俺は山に登っているのだろう。)
などと考えてはいけないと言われていたが、
つい考えてしまったのが、
(何故人は山に登るのか?)
ということ。
なんのために?
こんなマイナーな山ですら、何人もの登山者に踏み固められた登山道がある。
登山ルートの地図もある。
古来から、人は山に登ってきたのだ。
何故人は、山に登るのか。
こんな辛い思いをしてまで。
そんなことをずっと考えながら、ひたすら登った。
(ちなみに同行した息子は、頂上で食べるお昼ご飯のことをひたすら考えていたらしい。)
しかしその答えは、頂上に近づくにつれ見えてきた。
山頂に到達したとき、答えは明確なものとなった。
(嗚呼、人はこのために山に登るのか!)
毎日下から眺めている富士山だが、この高度から見る富士山もまた、他の山とは違う貫禄がある。
数ヶ月前にこの山の頂上まで登ったというのが、未だに信じがたい。
真下に見えるのが西湖。そういえば中学の時の林間学校は、西湖のほとりだった。
河口湖の周りは、意外と街だ。その向こうには山中湖も見える。
本栖湖も見える。
見渡す限りの森林、まさに樹海。
市街地に暮らしていると、人はそこらじゅうをアスファルトやセメントで埋め尽くしていかに愚かかと思う時があるが、これを見るとなぜかほっとする。
山頂からの景色は画像でお伝えできるが、
(実際には自分の目で見るのと画像で見るのでは100倍以上の違いはあるが)
この達成感、感動はどうにも伝えることはできない。
しばし休憩の後に、隣の鬼ヶ岳へ。
ここは、険しい。
断崖絶壁を、ハシゴで登る。
ということは、このハシゴを担いでここまで登った者がいるということだ。
この岩が、鬼のツノに見える故、鬼ヶ岳というそうだ。
ここから尾根づたいに縦走し、下る。
(ちなみに誤変換の多い息子は、お姉を重曹?となる。)
この断崖絶壁、落ちたら確実に死ねる。
朝9時に登りはじめ、下山したのが14時。
約5時間、よく歩いた。
何故人は、山に登るのか。
その答えを知りたい人は、実際登ってみるとよい。
東京スカイツリーの展望台からは得られない感動が、そこにはある。
(行ったことないけどね)
またひとつ、人生の愉しみが増えた。
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