私が一番長く所有しているギターを紹介します。
バッカスのレスポールタイプ、正確な型番は覚えていませんが、
確かBLS120とかだったような。
当時、新品で12万円くらいで買いました。
12万円だなんて当時高校生の私にとってはかなりの大金で、そうそう買えるはずもないのですが、
「いいよ、持って行って。お金は月々払えるだけ払ってくれればいいから。」
という悪魔の囁き。
そう、恐怖の自社ローンで分不相応の楽器を手にしてしまったのです。
当時バッカスはまだ出てきたばかりの無名ブランドでしたが、
「これは本家ギブソンなんかよりよっぽど良い材を使っているし、音も格段に良い。」
と太鼓判を押され、購入に踏み切ったのでした。
確かに今の目で見てもとてもしっかりした造りです。
ボディーバックのマホガニーは綺麗な木目の1ピース。
当時30万円くらいしたギブソンレスポールですら2ピースなのに。
ヘッドの傾斜角に対して平行に木目をとったネック、そしてディープジョイント。
トップのブックマッチドメイプルはシンプルなプレーンですが、下手に虎杢ラミネートしてないのが質実剛健で好感度大。
音は、とにかく太い。
ミッドからローが強く出る図太いサウンドです。
唯一気に入らなかったのが、分厚いウレタンフィニッシュである点。
せっかくの良い材の鳴りを殺してしまっていると思うのです。
打痕などダメージも目立ってきましたので、リフィニッシュすることにしました。
まず、分厚い塗装を削り落とします。
シーラー、クリアーの2層塗装であることがわかります。
やっと全て剥がれました。
今回はナチュラルのオイルフィニッシュにします。
塗ると美しい木目が姿を見せます。
少し乾かして、余分な塗料を拭き取ります。
フレットの擦り合わせに入ります。
まず弦を張ってない状態でストレートにロッドを調整し、フレットの高さを均等に削ります。
使用するストレートエッジはエンジンの歪み測定に使うものですので、かなりの高精度。
最後に弦が滑らかに動くよう磨きます。
金属磨きはメタルポリッシュが一番です。
用意したハードウェアー達。
ヘッドは綺麗に磨きあげました。
新品ペグ。安心の日本製。
各部品を組み上げて、完成。
最後にネックの反り、弦高、オクターブピッチを調整します。
美しいマホガニーの木目。
生音の鳴りが心なしか良くなった気がします。
今回、ピックアップはセイモアダンカンのJAZZ MODELと59をチョイスしましたが、
なんかしっくりこなくて結局オリジナルに戻しました。
フロントはJAZZ MODELという名前からウォームな音を想像していたのですが、
意外とローがカットされたトレブリーな印象でした。
JAZZというよりFUSIONのような。
それに対してオリジナルはハイからローまで均等に出ます。
特徴が無いといってしまえばそれまでですが、かえって使いやすいのです。
長く使って飽きてしまったギターも、こうしてリフィニッシュしてあげると愛着も増し、長く付き合えますね。
楽器のリフィニッシュ、リペア承ります。
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